小池勝也の 「コア・ポジショニング」 研究ノート

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<<   作成日時 : 2011/11/09 02:15  

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先日、環境とCSRのビジネス専門誌「オルタナ」 http://www.alterna.co.jp/

有料会員向けオンライン・ニュース「オルタナ・プレミアム」に寄稿致しました。

以下は、オルタナ編集部の許可をいただいて、寄稿文を転載したものです。

なお、同誌への寄稿は、私も講師を務めるCSRを学ぶ私塾「下北沢ソーシャル

・アカデミー」http://social-academy.jp/ と、雑誌「オルタナ」との提携による

ものです。

 

                      「CSRステートメント」を策定しよう

 

前回は、「CSRとは戦略そのものである」と書いた。そして、最も基本となる行動規範

として、「知りながら害をなすな」というドラッカーの教えを引用したが、実際の現場では、

もう少し具体的で共有可能なものが必要だろう。

 

それが「CSRステートメント」である。企業としてのCSR活動における信条、行動規範、

問題意識や目標など含み、組織の意思決定の物差しとなる一文である。

似たものに「CSR憲章」などがあるが、それが十項目もあるようでは有効な

CSRステートメントには成りえない。逆にキャッチコピーのような短文でも不十分である。

例えば、ユニクロはCSRステートメントを『服のチカラで、世界をよりよい方向へ変えていく』と

定めている。しかし、これでは余りに抽象的で、目標とする成果を計る術(すべ)も織り込まれて

いない。そのため、せっかくの崇高なコミットメントも実務に落とし込むことができず、

単なるスローガンで終わる危険性が高いと思われる。

 

では、理想の「CSRステートメント」とはどのようなものか。それには少なくとも、以下の三つの

要素を含むべきと考える。

 

@ 経営理念を具現化するものであること

A 組織全体で共有できるものであること

B 目標の達成度合いや成果を客観的に計測できること

 

上記に照らし合わせると、ユニクロのCSRステートメントは、同社の経営理念に合致し、

関係者全員が共有できる価値観を表現してはいるものの、どうなれば「変わった」と言えるのか

具体性に欠けている。

 

もうひとつ実例から考えてみよう。CSR経営で名高いパタゴニアである。同社では、自らの理念、

行動指針をいくつかの文章で示しているが、もし、筆者がこれらをCSRステートメントとして

まとめるならば、次のような一文になる。『パタゴニアは、最高のアウトドア・ウェアの製造販売

通じて、株主でも顧客でも、あるいは社員でもなく、地球資源に対して責任を持つ企業となる。

そして年成長率を5%に抑えてきちんと利益を出し、自然を愛する従業員にとって最も働きやすい

企業となる』といった具合である。

 

また、優れたCSRステートメントは、非営利組織にも見つけることができる。1990年代に

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を率いた緒方貞子さんの自著によれば、緒方さんが

定めたUNHCRの社会的責任とは、『どのように行動したら難民の命を守ることが出来るかが、

全てに優先する判断基準であり、個々の人命尊重だけでなく、安全保障の基盤となる

共同社会(コミュニティ)づくりを支援することによって、一日も早く、国際紛争による

難民の発生をゼロにする』というものである。

 

こうしてみると、優れたCSRステートメントとは、そのままで組織の戦略ステートメントにも

成りえることが判っていただけると思う。そして、その逆もまた真なのである。

 

以上

 

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